miracle
日本的な「甘えの構造」が顔を出す物語

ただし、ガンダムは日本以外の地域では基本的に人気がない。その理由は、戦争を扱いながら、極めて日本人的な想像の範囲でしか、戦争が行われていないからだろう。戦争は、ほとんどが軍閥による地域紛争で、戦国時代を彷彿とさせる。世界全体を硬直的な官僚主義によって支配している地球連邦政府は、江戸時代の徳川幕府そのものだ。

一方で、「スターウォーズ」や「スタートレック」には、必ず宇宙人が登場するが、ガンダムにはそれがない。様々な肌の色の人物が登場はするが、結局、日本人の延長線上でしかない。「多数の民族を抱えている国家の物語」とは決定的に違う。

そして、物語には、日本的な「甘えの構造」が随所に出てくる。「エピソード4」では、ガンダムに乗る主人公は大量破壊兵器のロボットに乗り込んだ少女が無差別攻撃を行い続けることを、説得を通じて中止させようとする。その方法として、選んだのが、ロボットのコックピットを開け、生身の身体を少女にさらし、無防備な状態の自分が攻撃を受けても構わないという姿勢を示す。少女はそれに主人公の本気さに感動して、攻撃を一時停止する。日本人のロジックらしく、少女は主人公の気持ちを「察した」のだ。

戦場という状況下にありながらも、「説得」と「自己犠牲」を示すことによって、戦争を止められると信じており、物語ではそれが成功してしまう。しかし、日本人以外の人々にとっては、戦場の行動として、理解不能な行動だろう。この死んでも構わないという論理は、明らかに日本的な「美意識」だ。
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